Mr.Children – イノセントワールド

今日6月1日はミスチル「イノセントワールド」がリリースされた日。

その話題で、当時僕が一瞬だけ働いたCDレンタル屋さんでの出来事も重ねて書き綴ろうと思います。

イノセントワールドがリリースされた1994年、僕はというと、世間的な目で見ればサイテーレベルの(笑)「浪人生(しかも二浪目)という括りに取り敢えず入るけど予備校に通う訳でもなく、『や、僕はミュージシャンとして選ばれてる人なんだ(笑)』と思ってる割に、ガッツリ創作活動やライブ活動をする訳でもなく、なんとなくプラプラしている」…という、しょーもない人間でした。

見兼ねた親が「なんなりとせんかい!」とハッパをかけてくれたので、近くのCDレンタル屋でバイトをすることにしました。

当時はまだまだバブル期、CDもミリオンヒットに溢れるという活気ある状況。そのレンタル屋さんも地元のチェーン規模のお店でしたが、連日お客さんで賑わっていました。

僕はアーティスト気質を気取っていたのでCDはアルバムを聴く派だったのですが、そこで働いてみて「自分の好きな曲(シングル)をまとめて借りる派」という方も結構いらっしゃることを知りました。

僕の業務はその「シングルをまとめて借りる派」の対応がメイン。

棚にズラリと並んだ(なつかし)8センチシングルを、お客さんが持ってくる札番号に基づいてピックアップして…ということをやっていました。

懐かしや、8センチシングル盤!と、当時のアーティスト本「eS」。
ちなみに、僕が中学校の頃にはじめて買ってもらったCDラジカセは、この8センチシングル盤が再生非対応で、「アダプター」なるドーナツ形のプラスチック補助品を嵌めて再生させてました。

そんな「括りは浪人生なんだけど予備校は行かずバイトに精を出す」というストレンジデイズの真っ只中に、僕は「その曲」をお店の店内放送ではじめて聴くことになりました。

爽やか。清涼感。力強さ。大衆性、ポップ!の中の、計算し尽くされた知的なクールなセンス。

思春期にガツーンと音楽にノックアウトされた経験はいくつかありましたが、「その曲」はそれらに近い衝撃を僕に与えてくれました。

そしてさらなる衝撃だったのは、「その曲」がメジャーシーンのど真ん中で鳴り響いている曲だったこと。

「自分のセンスはいい」という不遜な思い込みにしがみ続けたかった僕は、自分が惹かれる音楽が世間的にはB級と呼ばれたりすることに逆にプライドを持っていたのですが(めんどくさいやつです(笑))、このメジャーシーンのど真ん中で鳴る「このあと大ヒットしそうな曲」に自分の感性も動いたことは、僕の中では大きな出来事でした。 

そして「本当に素晴らしい音楽は大衆には受け入れられない」という僕の思い込みもこの曲、そしてそのあと続く「新世代ポップモンスター」ミスターチルドレンの快進撃が打ち砕いてくれたのでした(^^)。

加筆:「本当に素晴らしい音楽は大衆には受け入れられない」とは当時の僕の持論でしたが、それら(僕が定義する「本当に素晴らしい音楽」)には共通して「社会に迎合していない(媚を売っていない)」と感じる要素があります。その要素があるかどうか?は、僕にとっては今でも大事です。